般若姫伝説・臼杵市 平生町 柳井市

般若姫伝説・臼杵市 平生町 柳井市

山口県柳井市平生町周防大島町、そして大分県臼杵市に古くから伝わる般若姫伝説、その般若姫伝説を写真とともにたどってみます。
また、
般若姫行列の画像は臼杵市観光協会さんのご協力です。般若姫行列は臼杵竹宵まつり(十一月第一土曜日・日曜日)に行われます。
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般若姫伝説掲載にあたり、疑問点を解消しようと奈良の知人(歴史学者)に問い合わせました。
「般若姫の母の実家にあたる久我大臣は奈良の都のどこでしょうか?」
「久我は京都で奈良は蘇我ですよ」と言われ、
再びネットを見ると、玉津姫の父は蘇我稲目では?とも書かれていました。さらに、奈良の知人からは「この物語と同じようなお話が葛城山にもあります。炭焼き信仰の物語では」
とも聞きましたが、とりあえずたどってみます。
私の立ち位置としては、歴史や民俗学ではなくあくまで写真、般若姫伝説のルートを写真でガイドいたします。
(観光案内のブログとしてお楽しみいただければ幸いです)
般若姫物語
般若姫行列・・・大分県臼杵市
奈良の都の大臣の娘、玉津姫、それはそれは綺麗なお姫様でした。が、成長するにつれ顔にあざができ嫁ぐことができません。大和の国の三輪明神様に願掛けをしたところ、豊後の国の小五郎に嫁ぐようにとお告げがあったそうです。
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玉津姫は小五郎を探し出し「結婚してほしい」と言ったところ「炭焼きで貧乏、結婚できるわけがない」と断られたので「多少の蓄えはある」と黄金を差し出しました。
小五郎は「それならいくらでもある」と淵の傍につれていき、その淵で身を清めると小五郎は美男子に、玉津姫のあざも消えました。
そして二人は結婚、やがて二人の間に女の子が誕生し名前を般若姫としました。般若姫も、それはそれは美しい姫に成長し、その噂は遠く都にまで達します。
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般若姫の噂は「橘の豊日の皇子」の耳に入り、般若姫に逢うため、修行者となって豊後に入りました。笛が大変上手で、山路と名をかえて長者の家に住み込みました。
あるとき、般若姫が重い病気にかかり、「姫の病は諸神のたたり。治すためには、三江の松原に仮の神社を建て、笠懸の的を射よ。」というお告げを受けました。
もし姫の病気が治ったあかつきには、姫をお嫁にください。」と山路は言い、的を射ることで姫の病気を治し山路は橘豊日尊(たちばなのとよひのみこと)であることを明します。
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やがて橘豊日尊は都に呼び戻され、その後に般若姫は都に上ることとなります。
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般若姫は100艘を越える船団で都へと旅立ちます。その航海を想像しますと、臼杵より鶴崎へ、鶴崎より国東半島へ渡ります。(約11km)
大星山展望台より・・・山口県平生町
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そして、国東より周防の国祝島、平郡島、大畠を目指します。が、ここで嵐に遭遇、船団は姫島へと引き返します。この時般若姫が立ち寄ったことで姫島とよばれるとも伝わります。般若姫の一行は再び姫島を出航、姫島と祝島の距離は約30km(祝島は中央)、祝島を通過すると上関、平郡島ですが、平郡島の沖合で再び嵐に遭遇します。しかし船団はひたすら大畠瀬戸を目指します。
大星山から見た姫島
姫島
中央に霞むのが姫島です。左遠くは国東半島、周防灘を渡る般若姫の一行は嵐に遭遇、「姫島に漕ぎ戻した」とあります。その時に般若姫が立ち寄ったことから姫島と呼ばれるようになったとも伝わります。
荒ぶる大畠の瀬戸へ
大畠の瀬戸・・・柳井市大畠
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般若姫の船団は大畠の瀬戸へ向かいます。が、ここは日本三大潮流と言われる難所中の難所です。
大島大橋の工事以降、潮がおとなしくなったと言われますが、今でもドーンと小舟をつきあげるように潮が浮き上がり、船の上に立つことができません。
それは海底の起伏に原因があるようです。
大畠の渦潮・・・柳井市大畠
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現在でも潮が動くときは小舟は港に帰ります。この写真は小型漁船から写したもので、目線としては般若姫の伴の船団と同じだと思います。
柳井方向から岩国方向へ
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写真は実際に般若姫の一行の進行方向、柳井から岩国方向へ流れる潮です。遠くの穏やかな海と比較してください、また大型船と比較していただくと流れの大きさもわかります。
不慣れな船団はこの流れに巻き込まれたと思います。小舟で乗り切るにはかなり怖いと思いますが、船団はここで壊滅的な被害にあったのではと想像できます。
(写真は大橋の上からです)
柳と井戸・・・柳井市柳井
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この時般若姫は、疲れをいやすために柳井へと引き返し水を飲まれます。その美味しい井戸の水に感激され、井戸の傍に柳の楊枝をさすと一夜にして芽吹き柳の木は大木に育ちました。
柳井(柳井市)の語源はその時の「柳と井戸(曹洞宗湘江庵境内)」によるものと伝わります。
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般若姫は大勢の供のものを失い嘆き悲しまれ、自らも大畠の瀬戸に身を沈められました。そして姫は、遺言どうり、大畠の瀬戸が見守られる神峰山(正面遠く・平生町)に葬り祀られています。
般若寺展望所より・・・平生町
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般若寺より眺める大畠の瀬戸、潮の流れも確認できます。
そのことは直ぐに臼杵と都に伝わり、皇子と長者は悲しまれ真名の長者により神峰山に般若寺が建立されます。般若姫はいまでもこの地より、大畠瀬戸の安全を見守っているとも伝えられます。
般若寺・・・平生町
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「般若寺仁王門」
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「般若寺観音堂」
毎年陰暦12月大晦日の夜、大畠の瀬戸から火の玉が三つ舞い上がり、一つは神峰山の山頂の「龍灯の松」にとまった後、般若寺の観音堂の三光之窓に入っていくということです。
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「般若寺本堂」
般若寺は臼杵の真名野長者の建立といわれています。
般若寺
「般若姫供養塔」 
境内にある般若姫の供養塔には大分の石が使われているとのことです。 
磨崖仏
「国宝臼杵の石仏(磨崖仏)」
臼杵の石仏は般若姫の父である真名野長者の建立と伝わります。
ここで、臼杵の磨崖仏と般若寺の般若姫供養塔の一致することを書いてみます。
それは鳥居です。
一般的に鳥居は神社にあるものですが、般若寺も磨崖仏も仏ですが、般若姫のお墓の前(写真)と臼杵の石仏への参道には鳥居がみられます。
さらに、
磨崖仏の近くには真名野長者夫妻と言われる像も残っています。今回は取材できなかったのですが、臼杵市には聖徳太子像もあると聞きます。
ところで皆さま、
このお話が伝説なのか実話なのか気になりませんか?
私が般若姫伝説を知ったのは約20年前、その後は般若姫のファンとなり現在に至ります。
私なりには、
物語と実話が混在しているように思います。源義経伝説も水戸黄門さまも、最近では山田長政、「野に咲く花のように」もそうだと思いますが、こうした物語の多くは実話に脚色したものが伝わります。
という事で、
しばしHirokaneの空想にお付き合いください。
(空想)般若姫物語
用明天皇(橘豊日尊)の幼少期、都は騒乱状態にあり橘豊日尊は山路と名を変え、一時身を隠すことを余儀なくされました。
選ばれた先は豊後の国(臼杵市)真名野長者の元、その真名野長者にはそれはそれは美しい娘がいました。
後の般若姫です。
月日と共にいつしか二人は恋仲となり、二人の間には一人の男子と一人の女子(玉枝姫)が誕生していました。
しかし、
やがて橘豊日尊は、用明天皇として都へ帰ることとなり、妻には後から来るように言い残し都へと旅立ちます。
その都では、妃を迎えるにあたり平民ではまずいので、妃の名を般若姫、その母を玉津姫として神話をつくりあげました。
全ての準備が整うと、
般若姫は海路で都へ向かいますが、その途中では嵐に遭遇し大畠瀬戸では多くの供の者を失い、嘆き悲しんだ般若姫は自らも大畠瀬戸に沈みます。
その後、
このいきさつは般若姫伝説として、大分県と山口県で言い伝えられ現在に至ります。
また、
聖徳太子は臼杵から陸路を都に向い、太子伝説が生まれました。陸路に難儀した聖徳太子は官道、五畿七道の整備を命じ、一番の大路を山陽道とし、臼杵には山陽道からの西海道が整備されます。
以上ですが、
これはまったくHirokaneの空想、
はるか悠久の時を経て伝わる般若姫伝説を想像してみたもので、時代背景も何も調査したものではありません。
また、
この般若姫伝説は、炭焼き小五郎から炭焼き神話とも言われますが、臼杵は海の町ですから、炭焼き神話とも合致しない思いもあり、炭焼き信仰にまつわる事項は都でつくられたものではと考えてみました。
そして、

毎年陰暦の大晦日に大畠瀬戸から三つの玉が舞い上がり、一つは対岸周防大島町の大多満根神社に、一つは柳井市大畠の鳴戸神社に、一つは般若寺の観音堂に入ると言われます。
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柳井市大畠「鳴戸神社」(地元誌より)
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周防大島町の大多満根神社境内の「般若姫社」と供養塔、この供養塔は、般若姫の霊を鎮め、難所である大畠瀬戸の航海の無事を祈願するために建立されたと伝わります。
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以上で完結いたします。
最後までお読みいただき有難うございました。
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般若姫が嫁がれるとされていた用明天皇の御陵です。大阪市太子町にあります。
Hirokane

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